8月1日0時、9月1日22時、10月1日20時
いるか座の見え方 |
いるか座付近の星図 |
いるか座はわし座のアルタイルの北東方向にあります。4個の4等星がかわいらしく、ひし型に並んでいます。小さな星座ですが、このひし型が意外とよく目につきます。いるか座の隣は秋の星座のペガスス座ですから、いるか座は夏の星座のラストバッターです。それだけに、夕暮れ時にいるか座が空高く見え出すと、もうそろそろ秋が近づいたなあと感じます。
先にも書きましたように、いるか座は小さな星座の割によく目に付く星座です。このためトレミーの48星座の一つに数えられています。また日本でも古くからひし形に注目し、「菱星(ひしぼし)」とよばれていました。また、機織に使う舟形の道具「杼(ひ)」に似ていることから、「杼星(ひぼし)」などともよばれました。
ヨーロッパでは、いるか座の胴体部分のひし形を指して、「ヨブの棺」とよんでいます。ヨブは旧約聖書に出てくるヨブ記の主人公で、サタンの嫌がらせにも負けず神への忠誠を貫いた人物として知られています。
ある時、海の神ポセイドンは、女神アンフィトリーテを妃として迎えるため、イルカを遣いにだしました。イルカは見事にアンフィトリーテを説き伏せてその役割を果たし、ふたりは結婚することができました。いるかはその功績により、天へ上げられて星座にされたのだそうです。
別の逸話もあります。アリオンは紀元前6〜7世紀に実在したコリントスの宮廷音楽家で、竪琴の名手でした。ある時アリオンは、海賊に船を奪われて、海に放り込まれそうになりました。その時、これが最後と奏でた琴の音色にイルカが聞きほれ、アリオンは無事にイルカによって救われました。このときのイルカが星座となったのだそうです。