8月1日23時、9月1日21時、10月1日19時
わし座の見え方 |
わし座付近の星図 |
アルタイルが鷲の頭でδ星をしっぽとし、羽を広げた大きな鷲の姿を想像するのは簡単! と思いきや、実は違います。アルタイルは鷲の胴にあたるのです。そしてθ星がくちばしで、ζ星はしっぽ。δ星は左側の翼です。そして暗いρ星が右側の翼になります。これで鷲の星座が完成するのですが、何かいまひとつ華やかさが感じられません。近くにはくちょう座という形のはっきりした鳥の星座があるだけに、比較してそう思うのかもしれません。
ところでわし座のβ星はアルシヤインという名前でよばれています。これはアラビア語のアッ・シャーヒーンからきていますが、これは隼(はやぶさ)を意味します。あるいはわし座の鷲は隼のことを指すのかもしれませんが、定かでありません。
ギリシャ神話でわし座は定かではありません。一説では大神ゼウスに仕えていた大きな黒鷲だとされています。黒鷲は使いをしながら下界の様子をゼウスに伝えていたといわれています。別の話では大神ゼウスが美少年ガニメデスをさらった際に、自身が化けた鷲がわし座であるとか、鷲を遣いに出してさらわせた時の鷲であるとか、ガニメデスを鷲にした姿だとか、さまざまです。
わし座の目印はなんといっても0.8等星で輝くアルタイルです。アルタイルはアラビア語で「飛ぶ鷲」という意味です。アルタイルは天の川をはさんだこと座のベガ(織姫星)とともに彦星、または牽牛星として知られています。アルタイルとベガに加えてはくちょう座のデネブの3星を結ぶと夏の大三角となります。
アルタイルは自転が速い星として知られています。直径が太陽の1.8倍もあるのに8.9時間で1回転してしまいます。このため、赤道付近では秒速240kmもの速さで動いていることになります。太陽が26日間もかけて自転しているのと比べればその猛烈な自転ぶりがわかります。そのためアルタイルは赤道部分が大きくふくらんだ楕円形をしていると考えられています。