流星群を観測するために

 ここでは、流星群を観測する方法や注意点を解説します。

流星群とは

 普通、流星といえば、いつ、どこに、どういう方向から飛んでくるのか予想がつかないものです。ふと空を見上げた時に空を流星が横切って、「あっ、流れた!」と驚きをもって叫んだりするのが普通です。

 ところが年間を通してある時期になると、特定の決まった方向から流星が飛んでくるように見える場合があり、これを流星群と呼んでいます。そして、流星が飛んでくる方向に位置する星座の名前をとって「何々流星群」といいます。たとえばしし座の方向から流星が飛んでくるように見える場合は「しし座流星群」と呼ばれます。

母彗星


 流星群は彗星母彗星と呼ばれます)に関係していると言われています。彗星が撒き散らしたチリが、地球に飛び込んできて、地球の大気との摩擦によって発光して流星となります。しし座流星群の母彗星は33年周期で太陽の周りを回っているテンペル・タットル彗星と呼ばれる彗星です。その他、ペルセウス座流星群のスイフト・タットル彗星、みずがめ座流星群とオリオン座流星群のハレー彗星は有名です。

流星群を観測しよう

 流星を観測する場合の主なポイントをあげてみます。

空が暗い場所へ

 流星をたくさん見ようと思えば空が暗い場所へ行かなければなりません。夜間は自動販売機の光があるだけでもずいぶんと明るく感じます。都会の明るい空では明るい流星だけしか見ることができず、出現数は激減してしまいます。少しでも良い条件の観測場所を選びましょう。

視界が開けた場所

 流星は特定の星座だけに見えるのではなく全天に流れます。ですから視界が開けた場所ほど流星を見ることができる可能性は高くなります。

時間と方角

 輻射点の高度が高いほど条件が良くなります。たとえば、しし座流星群の場合ですと、輻射点は真夜中に東の空から昇ってきて、明け方にかけて次第に高度が上がってくるので、しし座流星群の場合ですと明け方頃が最も条件が良いといえます。

 輻射点に加えてもうひとつ重要なのが月明かりです。月明かりがあると暗い流星は見えにくくなってまいますので、できれば月明かりのある時間帯は避けたいところです。

 最後に見る方角ですが、流星は全天に流れるので、あなたが「ここ」と思う方角を見ればそれでOKです。

流星の飛び方

 流星群の流星は輻射点の方向から飛んでくるように見えます。また、輻射点に近いほど流星の経路は短くゆっくり飛び、輻射点から離れるほど流星の経路は長くて速く飛びます。それとあまり知られていませんが、理屈上では輻射点に近いほど流星は明るく、輻射点から離れるほど流星は暗くなります。もちろん平均すればの話ですが。

 流星の速度はゆっくり飛ぶものから非常に速く飛ぶものまで流星群によって異なります。いずれにしても流星はほんの一瞬の出来事ですから、のんびりと流れ星に願いを唱えているような余裕はありません。本当に「あっ」と言う間の現象です。

寝転んで見よう

 流星を見るには寝転んで見るのが一番です。長時間見ていても首が疲れませんし、全天を見ることができるからです。

エチケット

 周りには流星の写真を撮っている方もおられます。車のライトや懐中電灯などの光は流星写真には大敵で、空やカメラの方に光を当てるとせっかくの写真がパーになってしまいます。光を使う場合は一言声をかけるなど配慮しましょう。また夜間は小さな音でもよく響きます。当たり前のことですが、近所迷惑にならないよう、話し声などは控えめにします。

その他の注意点

 夜間は意外と冷え込みます。特に地面に寝転んで見ていると、体を動かさない上に冷たさが地面から直接体に伝わってきます。さらに夜露もベトベトについてしまって最悪。そんなわけで、季節を問わず防寒着やカイロなどを用意しておいた方が無難です。特に冬の場合はカイロも首用、胸用、腰用、足用、といった具合に複数個用意しておきましょう。

つるちゃんのプラネタリウム for Javaアプレットの中にある流星群の見え方で画面に出現イメージを表示させてみましょう。