流星群(りゅうせいぐん)
流星群という言葉をご存知でしょうか。流星は気ままな時間に気ままな方向から飛んでくるのが普通です。しかし、ある特定の時期になると一定の方向から流星が飛んでくるように見える場合があります。これを流星群と呼んでいます。
流星群は流星が飛んでくるように見える方向(輻射点、または放射点と呼びます)によって、しし座流星群、ペルセウス座流星群などと名づけられています。ここで、流星群の名前は流星が飛んでくるように見える方向をいうのであり、流星が実際に流れる星座をいっているのではありません。つまり、流星群の流星は全天で観測することができ、しし座やペルセウス座といった星座にしか流れないというわけではありません。
ある流星群で最も多く流星が流れる日を極大日と呼んでいます。有名なペルセウス座流星群の極大日の場合で、1時間あたりに最大で50個くらいの流星を見ることができます。これはもちろん視界が開けた暗い空での話です。おそらく都会の明るい空では、一晩で数個しか見ることができないでしょう。
流星群にはそれぞれ特徴があります。明るい流星が多いもの、極大のピークが鋭いもの、末端で爆発するもの、火球が飛ぶもの、活動期間が長いものなどさまざまです。流星群の一覧でどんな流星群があるのか、調べてみましょう。
名称の決定
近年観測精度が向上してきたことで、認知される流星群の数が増えてきました。その結果、同じ名称を持つ流星群が複数存在するようになりました。また、りゅう座ι流星群がしぶんぎ座流星群と呼ばれたり、10月のりゅう座流星群はジャコビニ流星群と呼ばれており、同じ流星群でも別の名称で呼ばれることもあります。そんなわけで、次第に混乱が生じる機会が増えてきました。
そこで、2009年の国際天文学連合の総会で286の流星群の名称決定が検討されました。そして最終的に、64にわたる流星群の公式名称が確定されました。これを受けて日本でも和名による流星群名称が検討され、次のルールによって和名が定義されました。次回の国際天文学連合総会は2012年に北京で開催され、新たな31の流星群が追加されました。
「星座名」+「流星群」
例: ペルセウス座流星群、ふたご座流星群
「星座名」+「ギリシャ文字」+「流星群」
例: みずがめ座η流星群、みずがめ座δ流星群
「月」+「星座名」+「流星群」
例: 4月こと座流星群
「月」+「星座名」+「ギリシャ文字」+「流星群」
例: 9月ペルセウス座ε流星群
流星群名の最後に「昼間流星群」をつける。昼間の読み方は「ちゅうかん」だが、呼称として「ひるま」も可能
例: おひつじ座昼間流星群
「流星群」または「昼間流星群」の前に「北」または「南」を挿入する
例: おうし座南流星群、5月おひつじ座南昼間流星群
一部は例外を認める
例: しぶんぎ座流星群、こぐま座流星群
詳しくは流星群一覧のページをご覧ください。
流星群を見よう!
日を選ぶ
・最も多く流星が流れる日は流星群ごとに決まっています。流星群の一覧で極大日を調べておきましょう。
・極大日以外の日でも流星は流れます。極大日でないからと、あきらめる必要はありません。
・月明かりのある時間帯はなるべく避けましょう。見える流星の数が極端に減ってしまいます。
空が暗い場所で
・暗い流星ほどその数は圧倒的に多くなります。なるべく空が暗い場所で観測しましょう。
・明るい都会の空ではかなり明るい流星以外はまず見えません。
・視界が開けた場所を選びましょう。流星は全天に流れます。
輻射点が昇ってから
・輻射点が地平線より下にある場合、流星の数は少なくなります。
・輻射点が高く昇っている時間帯がチャンスです。
流星を見る場合のポイント
・どこに流れるかは予測ができません。自分が「ここっ!」と思う方向を見てみましょう。
・地面に寝転がって見るのが一番楽で見える確率が高くなります。
・流星は思った以上に速いものです。願い事を3度言うのはかなり苦しいかも・・・。
・防寒対策はしっかりしましょう。特に野外へ出かける場合は、たとえ真夏でも予想以上に冷え込みます。
・蚊などの虫対策もお忘れなく。