小惑星Jiangxiによる恒星食 2010年3月23日
小惑星が恒星の上を通り過ぎる
火星と木星の軌道の間には小さな惑星が多数存在し、小惑星と呼ばれています。これらの小惑星は恒星の間を、それぞれの経路をたどりながら移動しているように見えます。このとき、偶然に小惑星が恒星の上を通過することがあり、小惑星による恒星食と呼んでいます。2010年3月23日には比較的明るい恒星が小惑星によって隠される現象が起こるので注目されます。
隠す側の小惑星はJiangxi(2617)という直径59Kmしかない小さな天体ですから、もちろん小型の天体望遠鏡で存在を確認することはできません。一方、隠される側の星は、ふたご座の中にあるHIP34267という5.7等の恒星です。下の星図を参考にしながら、双眼鏡を使ってふたご座のカストルからたどれば、比較的簡単に探すことができるでしょう。
HIP34267の探し方
小惑星は直径が小さいため、小惑星による恒星食を観測できるエリアはごく限られてしまいますが、今回も例外ではありません。予報の中心線は鳥取(鳥取県)−堺(大阪府)−尾張(和歌山県)を結ぶラインです。予報の誤差を含めて恒星食が見られる可能性があるのは、島根県東部、鳥取県、岡山県、香川県東部の一部、徳島県東部の一部、兵庫県、大阪府、京都府、奈良県、和歌山県、滋賀県西部、三重県の東部を除く大部分、福井県南西部となっています。
※当初の予報では福井県から静岡県あたりが恒星食が見られるエリアでしたが、現在は上記のとおり修正されています。
日時 3月23日22時46分
継続時間 4.7秒
減光等級 9.7等
恒星の位置(J2000) 7h06m11.5s +34゜28’25.8”
恒星の明るさ 5.7等
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