小惑星Tokioによる恒星食 2004年2月18日
2月はこれといった天文現象はありませんので、今回は一般の方には少し難しい天文現象を取り上げてみました。
小惑星が恒星の上を通過する際に、恒星が一時的に減光して暗くなる現象を小惑星による恒星食と呼んでいますが、今回は「Tokio」という小惑星による恒星食が、四国東部から中国地方の一部の狭いエリアで見られます。
普段はあまりなじみのない小惑星ですが、Tokioは東京のことですから、ちょっと身近に感じるかもしれませんね。この日のTokioの明るさは14等星ですから、かなり大型の天体望遠鏡でないと見ることはできません。Tokioの直径は85Kmしかなく、かなり小さな天体ですから無理もありません。しかし、隠される側の恒星(HIP65791)の明るさは7.2等星ですから、天体望遠鏡なら楽に見ることのできる明るさです。
2月18日の1時35分に恒星HIP65791は15秒間にわたって6.9等も減光し、14等級になってしまいます。ですから、この間は小さな天体望遠鏡では完全に見えなくなってしまうことでしょう。ただ、先に書いた狭い地域でしか見ることはできないのが残念なところです。
下にHIP65791のデータと星図を掲げておきます。運良くこの食が観測できる地域にお住まいの方は参考にしてください。
[HIP65791]
赤経 13h29m13s.62
赤緯 +3゜52’17”.12
明るさ 7.21等
恒星の位置(おとめ座78番星の右隣の7等星)
恒星の位置の詳細(上の図を2倍に拡大、丸印の中心にある星)