ここではレモン彗星が夕方の何時ごろにどの位置に見えるか、東京の場合を例に解説します。説明は5日間隔ですが、2日ごとの位置も示しました。レモン彗星は夕方が本命ですから、記事を参考にして見つけてください。
10月後半から11月上旬にかけて、レモン彗星は北西から西の方角に見えます。低い位置に見えますので、地平線まで見渡せるような視界が開けた場所から観測するようにしましょう。
10月15日 夕方、レモン彗星が北西の低空に登場
10月20日 アークトゥルスの右上、22日はε星に0.7度
10月25日 レモン彗星が明るい
10月30日 真西方向、半月過ぎの月
11月4日 レモン彗星の近くに球状星団M12
11月9日 高度が下がって暗くなり始める
11月14日 レモン彗星を見送ろう
暗夜でレモン彗星を観測することを考えた場合、夕方にそろそろ見え始めるのが10月15日ごろです。星図のように東京で18時30分の場合だと、5度という低い位置に見えます。明るさは4.9等ですから、郊外なら双眼鏡を使えば楽に見えます。今日は下弦の翌日で月明かりがありません。観測するにはもってこいの日がしばらく続きます。
それでは探し方を紹介しましょう。北西よりも北寄り(星図では右側)に、有名な北斗七星が横たわっています。ひしゃくの柄の星η星(1.9等)の下の方に、りょうけん座のα星(2.9等)があります。さらに右側にβ星(4.3等)があり、レモン彗星はその左下、1.4度離れたところにあります。双眼鏡なら楽に同一視野で見ることができますので、探すのにそれほど苦労はありません。とらえどころのないぼんやりした天体が見つかれば、それがレモン彗星です。
翌日の同じ時間、レモン彗星はりょうけん座α星の右側で、0.9度まで接近しています。見つけるのに狙い目ですので、10月16日もぜひご覧になってください。
10月15日 18時30分
5日前と比べると、レモン彗星は大きく左へ移動しました。これはもちろん、レモン彗星が公転運動によって移動しているからです。
地平線近くでオレンジ色に明るく輝く星を見つけましょう。うしかい座α星のアークトゥルスで、1等星よりもワンランク明るい0等星です。この星から大きく右上方向、30度離れたところにレモン彗星があります。4.3等と明るいですから、当てずっぽうで双眼鏡を振り向けても、なんとかなりそうです。右上方向に尾が伸びていますが、双眼鏡で見た場合は楕円形のように見えると思われます。
球状星団のM3という天体がアークトゥルスの右側真横にあります。見え方が似ていますので、見間違えないようにしてください。(アークトゥルスからたどる方向を間違えなければ大丈夫です。)
翌日の21日は、うしかい座ρ星(3.6等)の下側にやってきます。さらに翌日の22日は、ε星(2.3等)の右下で0.7度まで接近します。目印になる星があって探しやすいですから、10月21日と22日もぜひご覧ください。
10月20日 18時30分
ここへきてレモン彗星の高度が上がってきました。明るさも増して3.9等となり、ここ数日間ピークを迎えます。それというのも21日に地球最接近を果たしており、太陽に最も接近する近日点通過を11月8日に控えているからです。
レモン彗星の周辺で最も近くて明るい星は、かんむり座のα星(2.2等)です。しかし、8.4度も離れています。それに次ぐのはうしかい座ε星(2.3等)で、間隔は12.3度です。付近にたどりやすい星もありませんので、両星との位置関係から当てずっぽうで双眼鏡を向けるしかありません。付近に星雲状の天体はありませんから、モヤッと拡散した天体が見つかれば、それがレモン彗星です。尾が伸びる方向が右上から上方向に変わってきています。このあたりも注意してご覧ください。
今日は月齢が3.9ということで、三日月よりも少し太った月があります。南西の低空にあり多少影響を受けますが、東京ではあと15分で月が沈みます。レモン彗星はその後1時間ほど沈みませんので、この間に暗夜で観測された方が良いでしょう。明日以降は月明りの影響を受けますので、観測しづらくなってしまいます。
10月25日 18時30分
今日のレモン彗星はほぼ真西に見えます。しかし付近に明るい星が見当たりません。最も近いのはへびつかい座α星(2.1等)ですが、21.2度も離れています。かんむり座α星(2.2等)も同じようなもので、22.5度です。
へびつかい座が作る将棋の駒のような形をした大きな五角形があり、その右辺にあるλ星(3.9等)をなんとか見つけてください。レモン彗星はこの星の右側へ5.9度のところにあります。見つからない時は、この辺りと思う方向に双眼鏡を向けましょう。そして、グルグル適当に視野を動かすと、意外に見つかることが多いから不思議です。題してグルグル作戦?
レモン彗星が3.9等と明るいからこそできる方法ですが、困ったときはぜひお試しください。
今日は南の空に半月過ぎの月があります。月明りは淡く広がった彗星を見るのに大敵です。残念ながら建物の影に入ったり月を背にするなどして、月が直接視界に入らないようにするくらいしか対策はありません。
10月30日 18時30分
彗星の高度が下がり始めています。5日前の同じ時間は高度が13.5度ありましたが、今日は9.7度と10度を切っています。明るさは4.1等と、少しだけ暗くなりました。翌日がスーパームーンの満月ということで月明かりが強烈ですから、観測の大きな妨げになってしまいます。
レモン彗星はへびつかい座が作る将棋の駒の形をした五角形の中に入りました。今日は五角形の右下の星、δ星(2.7等)もしくは、ε星(3.2等)から探すのが基本です。レモン彗星はε星から左上方向に5.9度離れたところにあります。5倍×50mmの双眼鏡なら実視界は7度くらいですので、同一視野に入ります。また、5日前に使ったλ星も含めて3天体を結ぶと、正三角形になります。位置を推定しやすいですから、エイヤーと双眼鏡を向けてみるのも悪くありません。
注意しなければならないのは、球状星団M12とM10です。近い所にある上に、見え方が似ています。しかし、いずれも6等級から7等級と暗いですし、大きさも小さなものです。また、球状星団は丸い形をしていますが、レモン彗星は尾が上方向に伸びている関係で細長く見えます。この辺に注意して見分けるようにしてください。
11月4日 18時30分
レモン彗星が地球から遠ざかってきました。それとともに4.4等と暗くなり始めており、動きも緩やかになります。また、高度も下がってきました。18時30分だと高度が低いですから、星図の時間を30分早めて18時としています。満月を過ぎたことで、東京の月の出は19時55分と遅くなりました。久しぶりに月明かりなしで観測することができます。
今日はへびつかい座が作る五角形の左下の星、η星(2.4等)からたどります。右の方へ5.9度離れていますので、お使いの双眼鏡の実視界を考慮すると、レモン彗星の位置が想像しやすくなります。それからここへきて、尾の向きが左上に変わってきました。過去の姿を思い出して比較すると面白いでしょう。
11月9日 18時
レモン彗星は11月8日に近日点を通過して、太陽から遠ざかり始めています。そして地球からも遠ざかる一方ですから、この後レモン彗星の明るさはドンドン暗くなります。今日の明るさは5.0等で、肉眼彗星でいられるのも11月20日までです。おまけに高度が下がってきて、観測条件は悪くなる一方です。それでもまだ5.0等ですから、郊外なら双眼鏡を使えば十分見える明るさです。
今日はへびつかい座が作る五角形の左下の星、η星(2.4等)のすぐ右下に見えます。1.1度の至近距離ですから、η星さえ見つかれば、レモン彗星を双眼鏡でとらえるのは簡単です。去りゆくレモン彗星を見送りましょう。
11月14日 18時