5月1日0時、6月1日22時、7月1日20時
おおかみ座の見え方 |
おおかみ座付近の星図 |
梅雨空の合間に素晴らしく晴れわたる日がまれにあります。そんな時に南天の地平線近くを見ると、明るい星が意外とたくさん見えて驚かされることがあります。これはおおかみ座とその隣にあるケンタウルス座の星々です。見やすくなる時期だけから考えると、おおかみ座は春の星座というよりは夏の星座に含めた方が良いのかもしれません。おおかみ座はお隣のケンタウルス座とともに、トレミーの48星座の一つとなっています。
おおかみ座を星座絵で見ると、ケンタウルスに槍で突かれる狼の姿が描かれています。かつては両方を合わせてケンタウルス座ひとつだけの星座でした。そんなこともあって、おおかみ座はケンタウルス座と一緒に見た方が楽しいでしょう。
おおかみ座は南天の空で低い位置に見える星座です。おおかみ座の形を構成する星のうち、最も南に位置するのはζ星です。ζ星の赤緯は−52度ですから、北緯38度よりも北の地域ではこの星を見ることができず、星座の一部が地平線の上に姿を現さないことになります。できるだけ南中した頃を見計らって眺めるのがよいでしよう。
おおかみ座と隣のケンタウルス座で明るく光る星は青白い色をしているものが多いのですが、これらの星はさそり−ケンタウルスOBアソシエーションと呼ばれています。これは同じ頃に同じ場所で誕生し、若くて高温な星たちのグループす。そしてこれらの星は、皆が同じ方向へ移動しています。
おおかみ座に出現したSN1006は、西暦1006年に出現した超新星です。SN1006は、記録に残っている超新星としては最も明るく、その明るさは−7.5等に達しました。これは金星14個分に匹敵するといいますから、驚くべき明るさです。イタリア、エジプト、中国など世界各地で記録が残されており、日本でも藤原定家が名月記の中で記録されています。