6月1日23時、7月1日21時、8月1日19時
じょうぎ座の見え方(日本) |
じょうぎ座の見え方(オーストラリア) |
じょうぎ座付近の星図 |
じょうぎ座と言われてもほとんどなじみがなく、初めて聞かれた方も多いのではないでしょうか。じょうぎ座は文字どおり定規を星座にしたものです。
夏の星座といえばさそり座ですが、じょうぎ座はさそり座のすぐ南に位置します。赤緯が−50度前後とだいぶ南寄りですから、東京あたりの緯度からだと全景を眺めることはできず、南半分は地平線下へ隠れてしまいます。しかも、最も明るい星ですら4等星の明るさしかなく、4等星以上の星の数はたったの2個だけしかありません。ですから、直角定規とまっすぐな定規を組み合わせ、大工さんが使うような定規を想像するのは無理といえます。
フランスの天文学者ラカイユは18世紀に南天の新しい星座を14設定しました。じょうぎ座はそのうちの一つです。ラカイユは、測量に使う定規をじょうぎ座に設定したのです。じょうぎ座の隣にはコンパス座という星座もあり、こちらもラカイユが設定した星座です。ラカイユはどんな思いで、これらの星座を設定したのでしょうか。
じょうぎ座は夏の天の川に位置するだけに、散開星団がたくさんあります。その中でもNGC6067は最も大きくて明るいもので、南国では肉眼でも天の川が少し濃くなったように見えます。星数は100個と多いので、微光星を背景にした星団の姿は見ものです。また少し南側にはNGC6087があり、双眼鏡でも天体望遠鏡でも散開星団らしい姿を見ることができます。