4月こと座流星群

 4月こと座流星群は4月下旬に極大となります。例年だと1時間あたりに最大で5個から10個程度の出現を見せる小さな流星群です。しかし条件が整えば、15個から20個に達するような年もなくはありません。夜半以降に輻射点(放射点)の位置が高くなりますので、この時間帯に観測するのがオススメです。

 4月こと座流星群は、かつては「こと座κ流星群」、あるいは「こと座流星群」と呼ばれていました。4月こと座流星群というと何か違和感があるのですが、2009年の国際天文学連合(IAU)で名称が確定されて以降、「4月こと座流星群」が正式名称となっているのでしかたがありません。しかし今でも、単に「こと座流星群」と呼ばれることもあるようです。

2024年は4月23日の夜明け前が見ごろ、条件良い

 2024年の4月こと座流星群は、4月22日の16時頃に極大となります。日本では昼間にあたりますし、輻射点が高くなる時間帯からも半日ずれています。ですから極大時刻の条件は最悪です。
 
 次に月の条件です。4月23日0時の月齢は14.7で、翌日24日が満月です。大きな月明かりに一晩中さらされますので、月の条件も最悪です。
 
 このように2024年の4月こと座流星群の観測条件は最悪です。4月こと座流星群は日付が変わってからが本番で、夜明けが近づくにつれて流星数が増加しますが、1時間あたりに最大でも5個以内の出現にとどまりそうです。

4月こと座流星群 4月23日未明の出現イメージ

東の空の出現イメージ 天頂から流星が流れ落ちる

 以降では、4月こと座流星群について詳しく解説していますのでお読みください。

4月こと座流星群とは

 年が変わってから1月のしぶんぎ座流星群以降は目立った流星群はありません。そんな中で出現数は少ないものの、毎年出現してくれる流星群が、4月こと座流星群です。4月こと座流星群というと何か妙な響きに聞こえます。かつてはこと座κ流星群(κはカッパと読む)、または単に、こと座流星群と呼ばれていましたが、2009年の国際天文学連合(IAU)で名称確定され、「4月こと座流星群」が現在の正式名称となっています。

母彗星

 流星群の流星は、彗星がもたらした小さな砂粒や塵だと言われています。流星群には母彗星が存在し、母彗星の軌道に近づくと普段よりも多く流星が流れるのです。4月こと座流星群の母彗星はサッチャー彗星(P/1861G1)です。サッチャー彗星の公転周期は415年で、流星群の母彗星としては最も長くなっています。次に地球へ接近するのは2283年頃と予想されています。

活動期間

 4月こと座流星群は4月16日から4月25日まで活動します。最も流星が多く流れる極大日は年によって異なりますが、日本時間では4月22日か4月23日となる年が多くなっています。

見える方向と時間

 4月こと座流星群の流星は、こと座の方向から飛んでくるように見えます。こと座といえば夏の星座ですね。4月頃だと夜半以降に高度が高くなってきますから、夜半を過ぎてからが流星観測に有利です。

流星の見え方

 この流星群で見られる流れ星は、地球に対して秒速49Kmの速さで大気圏へ突入し、見かけ上の速さは「中くらいから速い」に分類されます。星が流れたと思ったら、次の瞬間には消えて見えなくなってしまいます。痕を残すものや明るい流星も流れますから、見る側としては楽しいでしょう。夜半過ぎから輻射点の高度が高くなり、夜明け前には天頂近くまでやってきます。こうなると、頭上から流星が四方八方へ流れる格好になります。といっても次に書きますように、出現数はあまり多くありません。

流星の数

 流星の出現数は、条件が整っても1時間に最大で15個から20個で、例年は5個から10個程度です。しかもこれは、6等星まで見えるような暗い空の下で観測した場合の話です。月明かりや街明かりがあると、出現数はさらに少なくなってしまいます。できる限り空が暗い場所から観測するようにしましょう。

過去には突発出現

 4月こと座流星群は突発出現することで知られています。過去には1803年にアメリカで15分間で167個見られた記録があります。日本でも1945年に最良の条件化換算(ZHR)で1時間に100個以上の出現が見られました。しかし最近では、1982年に北アメリカで活発な活動が観測されて以降は、通常の活動が続いています。