倍率は高いほど良いのですか

　天体望遠鏡を購入される時に、一番気にするのは何ですか？ほとんどの方は「倍率」と答えられることでしょう。でもそれは、大きな間違い！

　高い倍率を使って観測すれば、天体をより大きく拡大して観測することができるので、倍率は高い方が良いと思われがちです。しかし、天体望遠鏡の性能は倍率で決まるのではありません。むやみに倍率を高くすると、像が暗くなって見づらくなる上に像がぼやけてしまいます。とてもまともな観測などできなくなってしまいますよ。それに、倍率を高くするほど見える範囲（視野といいます）が狭くなりますから、星を追尾する（※）のも大変になります。
※地球の自転のために星は東から西へと動いていきますから、これを追尾しなければなりません。

　天体望遠鏡の性能は、主鏡や対物レンズの口径の大きさで決まります。口径が大きいほど多くの光を集めることができるので、暗い天体を観測することができます。また、細かいものを見分けることもできますし、高い倍率を出すこともできるようになります。

　ということで、天体望遠鏡を購入される際には、まず一番目に、口径の大きさを気にするようにしましょう。