2017年は惑星が月に隠される惑星食が日本で2回見られます。1回目はこれから紹介する7月25日の水星食で、2回目は9月19日に起こる、これまた水星食です。7月25日に起こるものは全国で見られますが、2回目は四国の一部と九州、そして南西諸島でしか見ることができません。
さて、7月25日の水星食は5日後が水星の東方最大離角ということもあって、太陽から離れていて条件が良いものです。といっても水星の話ですから、太陽から近い位置であることに違いはありません。
東京での潜入時刻は18時56分頃です。月齢は2.0で、細い月の暗部に隠されます。日の入りは18時51分ですから、周囲が明るい状況での潜入です。一方、出現は19時50分頃です。東京での月の高度は3.4度で、かろうじて地平線上にあります。この頃には周囲がだいぶ暗くなって見やすいはずですが、高度が低いため、こちらの面では見づらいでしょう。
観測地 | 潜入 | 出現 |
---|---|---|
札幌 | 18:42 | 19:40 |
東京 | 18:56 | 19:50 |
大阪 | 18:58 | 19:51 |
福岡 | 19:01 | 19:51 |
那覇 | 19:27 | 19:47 |
東京で潜入の直前、月の位置 |
月に対する水星の経路 |
月の形 |
水星の形 |
水星食は肉眼だとわかりづらいですから、最低でも双眼鏡を用意しておきたいところです。また大気の状態にもよりますが、天体望遠鏡を使うと半月よりも少し太った形をした水星が、じわじわと隠されたり現れたりする様子を観測できて、楽しさが増します。
水星は恒星と違って面積があります。天体望遠鏡で観測する場合は水星のヘリが月面に接触してから完全に隠れるまで少し時間があります。もちろん水星が月面の端から出現する時も同様です。観測地によって異なりますが、今回の水星食では6秒から10秒程度です。月面の端を通る南西諸島などでは、もう少し長くかかるものと思われます。