4月8日は木星が衝を迎えます。衝とは惑星が太陽から180度離れることです。下に示した太陽系の図を見ると、太陽、地球、木星の順に一直線に並んでおり、木星は衝であることがわかります。
下の星図は、4月8日の21時ごろ、南東の空を眺めたようすです。木星の位置は、おとめ座のスピカから少し上側にあることがわかります。木星の明るさは-2.5等に達して非常に明るくて、しかも金色に光りますから、誰が見てもすぐに気づくでしょう。衝ということで、木星は地球へ最も近づいていますので、まさに観望期ですね。
ところで、妙なタイトルの話です。木星は太陽のまわりを12年かけて公転しますが、実は完全な円軌道というわけではありません。離心率0.04853という円に近い楕円軌道を描きます。このため、年によって太陽との距離が変化しています。
下のグラフを見ると、太陽と木星の距離は5.0AUを切るところまで近づくときもあれば、5.4AUを超えるほど遠ざかる時もあります。意外と距離が変化していますね。そして2017年を確認すると、グラフが上側のピークに達し、太陽から最も離れています。木星は2017年2月に遠日点を通過したのです。ですから当然、地球が最も近づいたときの距離も遠くなります。
木星と太陽の距離変化(20年間) |
木星の視直径変化(20年間) |
上に示した20年間にわたる木星の視直径のグラフをご覧ください。年ごとのピーク値を線でつなぐと、これも公転周期である12年の周期で波を描きます。このうち2017年の視直径は44秒を少し超えたところにとどまり、衝の頃の木星としては、最も小さな木星となっていることがわかります。
といっても衝は衝。観望期であることに違いありませんから、木星の天体観測に励みましょう!