土星がしし座で衝 2009年3月10日
変わった姿の土星が観測好機!
土星といえば環ですね。でも今年の土星はちょっと様相が違います。それというのも、今年は環が消失する年だからです。消失といっても実際に環がなくなるわけではありません。環の真横から太陽光が当たったり(8月11日)、環を真横から見たり(9月4日)して、地球から環が見えなくなるのです。
環の消失を5ヶ月後にひかえた土星ですが、3月10日に衝となって観測しやすい条件となります。もともと土星は地球からの距離が遠いので、衝だからといって距離的にはそれほど大きく変わりませんが、それでも年間を通して地球へ最も近づくので、観測好機なのには違いありません。しかも衝の頃には一晩中観測することができますから、こちらの意味でも観測条件が良いといえます。
土星は今、しし座の後ろ足付近にいます。下の絵は衝となる3月10日21時の場合ですが、南東方向の空の中ほどに見えます。近くには月齢13.4で満月の前日という丸い大きな月があります。土星の位置がわからない方は、月を頼りに見つけてみましょう。土星は1等星よりもワンランク明るい0等の明るさですから、月明かりがあっても肉眼で見つけることができるはずです。
天体望遠鏡をお持ちの方は、土星へ向けてみましょう。先にもお話したように、今年の土星は環が非常に細くて見づらくなっています。「環の見えない土星なんて面白くない」と思わないでください。こんな珍しい土星の姿は15年に一度しか観測することができないんですよ。これから夏にかけて環が少しずつ細くなっていく姿を追跡してみるのも面白いと思います。
しし座と土星
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