カノープスを見つけよう 2002年1月
冬の星座には7個の1等星があります。オリオン座のベテルギウスとリゲル、おうし座のアルデバラン、ぎしょしゃ座のカペラ、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、そしてふたご座のポルックスです。ところが実は8個目の1等星が南の空低くに見えることがあるのですが、それはりゅうこつ座のカノープスです。
南の地平線付近に現れる星
カノープスはりゅうこつ座にある1等星ですが、実は全天でシリウスに次いで2番目に明るい恒星であり、その明るさはマイナス0.7等に達します。しかし、日本からは南の空低くにしか姿を見せてくれません。明石付近の緯度では南中時でも2.6度ほどの高度にしかなりません。地球の大気による浮き上がり現象(大気差)を考慮しても3度そこそこです。緯度の高い地方(北の地方)に行くと高度はさらに低くなってしまいます。そんなわけで天文ファンの人でもカノープスを見たことがない人は意外と多いのではないでしょうか。
1月は見つける好機
そんなカノープスですが、1月はカノープスを捉える好機です。南中する時刻が早くなってくる上に、大気が澄んでいて地平線付近まで良く見通すことができる日が多くなるからです。ただしこれは日本海側の地方の人には当てはまらないかもしれませんね。
カノープスを見つけよう
おおいぬ座のシリウスが南中する少し前の時間帯をねらうとよいでしょう。地域により多少の違いはありますが、次の時刻を目安にしてください。
1月1日 23時半から0時頃
1月15日 22時半から23時頃
1月30日 21時半から22時頃
2月15日 20時半から21時頃
カノープスを見つけるには、やはり南の方角が地平線付近まで見渡せる場所から見ることが絶対条件です。高度が低いため大気による減光もありますが、カノープス自体が明るいので空気が澄んだ夜には以外と明るく見えます。また、高い山などから見た場合はマイナスの高度まで見えるため、意外と高い位置に見えます。そんなわけで条件さえ整えば、案外思っていたほど見つけにくいわけではありません。探し方はいろいろあるのでしょうが、つるちゃんは上の絵のような方法で探します。地平線付近がもやっているような場合には、双眼鏡を併用すると楽に見つけることができますよ。
カノープスのことを幸せ星と呼んでいる地方もあります。みなさんもカノープスを見つけて、幸せを願ってみられてはいかがでしょうか。
※つるぷら for Javaアプレットの中にある万能プラネタリウムでカノープスを見やすい日にちや時間を探してみましょう。
※月ごとの星空の中にあるカノープスを見つけようのページも参考にしてください。