土星が衝 2001年12月4日
おうし座にいる土星
土星は今年はおうし座にいます。だいだい色の1等星アルデバランと鈍い黄色の0等星の土星が仲良く並んでおり、明るい星が多い冬の星座の中にあっても2星は目立っています。そんな土星が12月4日に衝となります。衝の頃には地球と土星の距離が近づき、また真夜中に南中するので一晩中観測できます。
土星を探してみよう
土星を見たことがないという方もおられるでしょう。そこで探し方をまとめてみましたので参考にしてください。
・12月4日の衝の頃なら、21時なら東の空で高度50度、0時なら南の空で高度75度(ほとんど真上に近い感じでしょう)となります。同じ位置に見える時間は、半月経つごとに1時間ずつ早くなります。
・土星は肉眼で見ると鈍い黄色に見えます。また0等星くらいと明るくあまり瞬きません。瞬かないのは恒星と違って土星には面積があるからです。
・(1)にぎやかな冬の星座が宵の東天に勢ぞろいの絵も参考にしてください。
天体望遠鏡で見ると
土星は誰もが一度は天体望遠鏡で見てみたいと思う天体のひとつではないでしょうか。土星といえば環、環といえば土星というくらい土星の環は有名ですが、その土星の環がめいっぱい開いた状態ですので、環を観測するチャンスです。天体望遠鏡をお持ちでない方も、近くの天文台や観測会などへ出かけてのぞかせてもらいましょう。その際に土星を見るポイントをあげてみました。
・環が見えて感激することと思いますが、冷静になって次のことも確認してね。
・環は最も太くて明るいB環とその外側にあるA環の2重に見えます。気流の落ち着いた夜なら更に内側の暗いC環も見えて3重に見えるかもしれません。
・土星本体には縞模様が見えます。大きな口径の天体望遠鏡なら細い縞模様が何本も見えてきて、なかなかの眺めです。
・土星の近くには衛星のタイタンが星のようにプチッと見えています。忘れがちなので見忘れないように。
ついでに小惑星のベスタも
おうし座のヒアデス星団をはさんだ反対側では小惑星のベスタが11月29日に衝となっています。6等から7等くらいの明るさで小惑星としては相当に明るい状態ですので、こちらも小惑星を見つけるチャンスです。といっても見るには双眼鏡が必要になります。
小惑星は恒星と同じように見えますので、自信がなければ日にちをおいて観測し、移動が確認できれば間違いありません。下の絵を参考にしてください。