アンドロメダ大銀河を見つけよう

アンドロメダ大銀河って何?

銀河系について

 私たちの地球や太陽は太陽系に属しています。そして太陽系もまた、銀河系(天の川銀河)に属しています。太陽のように自分で光を放つ星を恒星と呼んでいますが、銀河系には2千億から4千億個もの恒星があるといわれています。偉大な太陽も、そのうちの1つにすぎません。銀河系の直径は約10万光年、ちょっと想像できない大きさですね。

宇宙には銀河系のような天体がいっぱい

 そんなスゴイ銀河系ですが、宇宙全体から見れば、ごくありふれた銀河のひとつにすぎません。下の絵は10億光年の彼方から、私たちの銀河系方向を眺めたものです。1つ1つの点は、星ではなくて銀河なんですよ。ここでは約1万5千個もの銀河が表示されています。これでも宇宙全体からみればほんの一部にしかすぎません。銀河って本当にたくさんあるんですね。

10億光年彼方から銀河系方向を眺めた様子

上の画像は当サイトでダウンロードできる「つるちゃんの3D銀河宇宙」で描いたものです。

アンドロメダ大銀河

 宇宙でこんなにたくさんある銀河ですが、その中で私たちの銀河系から独立していて、最も近くに位置する銀河がアンドロメダ大銀河です。アンドロメダ大銀河までの距離は約230万光年。気の遠くなるような距離ですが、それでも「ほんのお隣さん」の銀河です。

アンドロメダ大銀河(M31)
アンドロメダ大星雲(M31)

アンドロメダ大銀河はいつ、どこに見える?

アンドロメダ座の中

 その名の通り、アンドロメダ大銀河はアンドロメダ座の中にあります。空のよく晴れた暗い場所では、ボーッとした楕円形の姿を肉眼でも捉えることができるのですが、位置が正確にわかっていないと、見つけるのはちょっと難しいでしょう。

アンドロメダ座を探そう

 そこで、まずアンドロメダ座を探すことから始めましょう。アンドロメダ座はギリシア神話ではお化け鯨のいけにえになりかけたところを、勇者ペルセウスによって助け出されたお姫様として知られています。

 下の絵を見てください。表示されている9月15日22時以外の日付でも、9月1日23時頃、10月1日21時頃にも同様な星空を見ることができます。アンドロメダ大銀河は淡いので、月明かりの影響が少ない日を選びましょう。

9月15日22時頃のアンドロメダ座の位置

 アンドロメダ座を見つける場合は、ペガススの四辺形(秋の大四辺形)からたどるようにします。東の空の中ほどより少し上側に、2等星が3つと3等星が1つの大きな四角形をつくっているのがわかります。周辺には明るい星があまりないので比較的探しやすいでしょう。

 ところで、上の絵でペガススの四辺形の一番左側の星はペガスス座の星ではなく、実はアンドロメダ座の星なんですよ。ここまでわかればしめたもの。左下方向へ2つの2等星が等間隔に並んでいるのがすぐに確認できます。この3つ並んだ2等星がアンドロメダ座の骨格となります。アンドロメダ大銀河はこの3つの真ん中の星の左上方向にあって、絵ではちょうどアンドロメダの「ア」の部分の近くに、薄紫色の楕円形で描かれています。

アンドロメダ星雲の位置

 もう少し詳細な位置を確認しましょう。下の絵を見てください。先の3つの2等星の真ん中の星はアンドロメダ座のβ(ベータ)星と呼ばれています。β星からμ(ミュー)星、υ(ウプシロン)星とたどり、υ星の右方向にある雲のように見える天体がアンドロメダ大銀河です。

 下の絵では付近には楕円形が3つ描かれていますが、お供の2つの銀河も表示されているためで、アンドロメダ大銀河本体は真ん中の楕円になります。アンドロメダ大銀河はM31(エム31、またはメシエ31)とも呼ばれています。これを覚えておけば、あなたもちょっとした天文マニア??? ちなみに、つるちゃんはいわゆる天文マニアではありません。単に天文シミュレーションが好きなだけです。

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(本当はマニアやろ)
つる: パソコン画面に星が表示されるのを見てニヤけてるだけだよ。ニヤニヤ、エヘッ、エヘッ。エヘヘ。。。
(そういうのをマニアって言うねん!)
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アンドロメダ大星雲の位置

アンドロメダ大銀河の見え方

肉眼の場合

 空が明るい場合は肉眼で見るのは難しいでしょう。空が暗い場所で見ると、アンドロメダ大銀河はボーッとした小さな雲の切れ端のように見えます。空が十分に暗い場所では細長い楕円形をしているところまでハッキリとわかります。

双眼鏡の場合

 肉眼で見たよりも楕円形がハッキリとわかって、迫力があります。ただし、渦巻きなどの構造は全然みえません。

天体望遠鏡の場合

 天体望遠鏡では双眼鏡の場合よりも巨大に見えます。天体望遠鏡でも天体写真で見られるような渦巻きなどの構造はよくわかりません。星雲の大きさが大きいので、なるべく低倍率で見た方が面白みがあります。近くには、お供の銀河であるM32とM110も見ることができます。 

アンドロメダ大銀河を見るために

見える位置を事前に確認

 アンドロメダ大銀河に限った話ではありませんが、ある天体が見える方角や高度は、あなたが見る日時によって変わってきます。星を見るのに慣れていない方は、観測する前に位置を確認しておくことをお勧めします。下のリンクも参考にしてください。

リンク リンクと同様の星空が見える日時
8月15日 9月1日 10月1日 10月15日 11月1日 11月15日
9月15日20時 東の空 22時 21時 19時 18時
9月15日22時 東の空 0時 23時 21時 20時 19時 18時
9月16日 0時 天頂付近 2時 1時 23時 22時 21時 20時

空が暗い場所で

 田舎などの空が暗い場所で見るようにしてください。アンドロメダ大銀河はボーッと淡く広がった天体なので、光害の激しい都会の空の下で見るのはまず無理と思ってください。たとえ田舎の場合であっても、街灯や自動販売機の近くなど、人口の光の近くは避けるようにしましょう。

双眼鏡も準備

 アンドロメダ大銀河全体の明るさは4等級くらいです。といっても、ボーッと拡がった光を1箇所に集めた場合の明るさの話なので、星雲の一部を部分的に見るともっと暗くなってしまいます。ですから、双眼鏡をお持ちの方はぜひとも双眼鏡をを準備しておきたいものです。ちょっと視力に自信がない方でも双眼鏡があれば安心。アンドロメダ大銀河の淡い光を確実に捉えることができます。

期待しすぎないこと

 キレイな天体写真を思い浮かべて見てみると、少しガッカリするかもしれません。というのは、写真の場合は光を長時間蓄積できるのに対して、肉眼で見る場合はその瞬間の光しか感じ取ることができないためです。それでもあなたが見ているアンドロメダ大銀河の光は230万年も前の光。何か宇宙の神秘を感じませんか。

その他の注意

 秋口とはいえ、郊外の気温は低くなる場合があります。また、夜露もつきますのでそれなりの服装ででかけるようにしましょう。