アルゴル

 晩秋の頃、カシオペア座に続いて北東の空からペルセウス座が昇ってきます。アルゴルはペルセウスが左脇に携えた(実際には右側に見える)メドゥサの額の部分に位置する2等星です。アルゴルはアラビア語のラス・アルグルからきており、その意味は「悪魔の頭」です。

星名 学名 星座 バイヤー符号 フラムスティード番号 赤経 赤緯 実視等級 絶対等級 距離 スペクトル型
アルゴル Algol ペルセウス座 β星 26番 03h09m10s +40゜57’20” 2.12等 −0.08等 90光年 B8

アルゴルの位置

食変光星

 アルゴルは明るさを変える変光星として有名です。アルゴルは2日と20時間48分29秒の規則正しい周期で、2.12等星から3.39等星まで明るさを変えています。アルゴルは食変光星の代表ともいえる星です。食変光星とは、回りあう2つの星がお互いに隠しあって、日食のような現象を起こすために明るさを変える星のことです。
 
 アルゴルが明るさを変光星であることを最初に発見したのは、1667年のことで、イタリアのモンタナリです。そして変光が二つの星の食によるものであると予想したのは、イギリスのグッドリックとされています。

アルゴルの正体

 食変光星のアルゴルは、実際に2つの星から成り立っています。主星は太陽の2.3倍の直径で、重さは3.6倍もあります。表面温度は1万4千度もある高温星です。これに対して伴星はオレンジ色をしており、大きさは太陽直径の3倍もあるという、主星よりも大きなものです。しかし重さは太陽の0.8倍しかなく、このため主星の周りを回っています。両星の距離はわずか0.06AUといいますから、地球から太陽間の16分の1の距離しか離れていません。
 
アルゴルの模式図
 
 さらにこの続きがあります。これとは別にアルゴルCとよばれる伴星が見つかっています。この星は主星から2.61AU離れており、2年弱をかけて主星の周りを回っています。